ここでは実際に私が経験したことも含め、住宅営業職に就いていたころの知識もあわせてお伝えしていきます。
住宅ローンについて、まず住宅営業側の役割を説明すると、ここではお客様と金融機関、双方のやり取りが円滑に行われるようサポートする立場ということになります。
他社がどうかは知りませんが、私が所属していた住宅メーカーでは、指定の金融機関があったわけではなかったので、可能な限りお客様のご希望の金融機関を利用していました。
もしも住宅ローンを利用する際、気になる金融機関があればまず営業担当者に伝えてみてください。
ただ、「どこを選んでいいのか全くわからない」
とういう方が多くの場合かと思います。
そんな場合は営業担当者に相談するか、検索アプリもありますので活用していきましょう。
私は営業職ということもあって、住宅ローン金利比較アプリをインストールして金利の動きをチェックしたりしていました。
自分の住宅ローンの金融機関選びも、そこから決定しています。
細かな話はまた何かのタイミングで書くこととして、
本題の、流れについてお話ししていきましょう。

事前審査とは?
住宅ローンの最初のステップが「事前審査(仮審査)」です。
ここでは、『この人に融資しても大丈夫かどうか』をざっくり確認します。
提出するのは主に次のような書類です。
- 本人確認書類(免許証やマイナンバーカード)
- 源泉徴収票や確定申告書
- 勤務先や年収、勤続年数の情報(保険証など)
銀行側がここで見たいのは「返せる力があるか」と「信用情報に問題がないか」です。
たとえばクレジットカードの延滞や他の借入が多いと、その時点で審査は厳しくなってきます。
私自身、信用情報には自信がありましたが、自身の知らないところで何かがあっては怖いなという気持ちがあり、事前にCIC(指定信用情報機関)でインターネット開示を行いました。
インターネット開示は500円の手数料のみですぐに知ることができます。
ネットでサクッと検索可能ですし、結果がその場ですぐに分かり、とても便利です。
事前審査の前段階で、ひとつ安心材料を持っておくにはおすすめです。
誰かに知られることなく調べることが可能ですよ。
また、キャッシュカードの設定の見直しもこの頃しています。
不必要なキャッシング枠(そもそも利用していなかった)は未付帯に変更するなど、念には念を、といったことをやりました。
使っていないカードは処分するなど、身辺をクリアに見通し良くするタイミングと考えると、良い機会かもしれません。
本審査とは?
事前審査に通ったあとに進むのが「本審査」。
事前審査では”目安”でしたが、本審査ではより細かくチェックされます。
ここでは次のようなことが見られます。
- 健康状態(団体信用生命保険に加入できるか)
- 勤務先の在籍確認
- 年収と返済比率のバランス(事前審査でも確認します)
私の場合も、勤務先に「在籍確認」の電話が入りました。
これは不正がないかの確認のためで、よくある流れです。
また、購入予定の住宅が担保として十分な価値があるかも審査されます。
銀行は「万が一返済が難しくなったとき、その物件で回収できるか」を必ず見ています。
事前審査と本審査の違い
まとめるとこうのようになります。
- 事前審査→「この人にお金を貸してもよさそうか?」を大まかにチェック
- 本審査→「細かい条件を満たして、本当に貸せるか?」を徹底的に確認
住宅営業をしていた私の立場からすると、「事前審査で通過すれば本審査はほぼ通過できる」という感触がありました。
ただ、本審査になって確認する健康状態(団信)のことで懸念材料がある場合は気を付けましょう。そもそもこの点に難がある場合は、はじめのうち(事前審査を受ける前)に相談しておくとその後の対応もスムーズです。
本当に住宅購入を考えるのであれば「包み隠さず話すこと」が大切です。
担当営業に自分を知ってもらって、どんどん動いてもらいましょう。
ちなみに私の場合は、「貧血で通院中。薬を3日に1回服用している」という申告をしましたが、特に問題なく審査は進みました。
信用情報に関しては、事前審査の段階でも調査します。事前審査から本審査の間、信用情報に傷がつくようなことが何もなければ、ここは大丈夫と思って良いと思います。
私が感じたこと
私は住宅営業としてお客様を見守る側でしたが、当事者になってみてはじめて「もし落ちたら…」という漠然とした不安を抱え、結果が分かるまでは落ち着けなかった日々を体験しました。
ただこれはもしかしたら、「慎重な人ほど感じる」傾向が高いかもしれません。
そして、慎重な人ほど事前に確認し、自分を知ろうとします。
反対に、信用情報に自信のない人ほど、自分を知りたがらない(ここでの場合はCICを開示しない)傾向にありました。
ですが「住宅ローン」という、住宅よりも高額な商品を購入するのです。
借入額の返済比率も重要ですが、日頃から信用情報に関わる部分はクリアにしておかなければいけません。
“今”だけではなく将来、自分を頼ってくるかもしれない子どもたちのためにも。
次の記事では、気になる”地方銀行”と”ネット銀行”、どちらを選ぶのが良いのか?
実際に迷った私の経緯も併せてお伝えしたいと思います。
